これまで直木三十五賞を受賞した作品の一覧です。
※ 【直木賞】受賞作一覧(写真・解説付き) のページでは、最近の直木賞受賞作品を、装丁写真と内容の解説付きで、詳しく紹介しています。
※ 過去に直木賞にノミネートされた作品の一覧は、【直木賞】歴代ノミネート作 一覧 のページをご覧ください。
※ 芥川賞・本屋大賞の受賞作品一覧のページはこちらへ。
→ 芥川賞 ~歴代受賞作一覧~
→ 本屋大賞~歴代受賞作一覧~
「直木三十五賞」(通称 直木賞)は、無名・新人及び中堅作家による大衆小説、エンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)に与えられる文学賞です。かつては芥川賞と同じく、無名・新人作家に対する賞でしたが、現在では中堅作家が主な対象とされていて、ベテランが受賞することも珍しく無くなりました。文藝春秋社社長の菊池寛が、友人の直木三十五(なおきさんじゅうご)を記念して1935年に芥川龍之介賞(芥川賞)とともに創設し、年2回発表されます(上半期は前年12月から5月までに発表された作品、下半期は6月から11月までに発表された作品から選出)。
第174回(2025年下半期)芥川賞・直木賞の選考会が2026年1月14日(水)に都内で開かれ、直木賞に嶋津輝さんの『カフェーの帰り道』が選ばれました。嶋津輝さんは、東京都出身の56歳。会社勤めのかたわら、40代のときに小説の書き方を学ぶ教室に通って執筆に取り組むようになり、2016年には短編小説『姉といもうと』でオール讀物新人賞を受賞しました。受賞作は、大正から昭和にかけて流行したカフェーと呼ばれた飲食店で働く女給たちの姿を描いた連作の短編集です。独特の化粧が受けて人気となる女給や、意味のないうそばかりついてしまう女給など、カフェーで働く個性豊かな面々が戦争に翻弄されつつも激動の時代を生き抜く姿が描かれています。(NHKニュースより)
直木賞にノミネートされた小説(6作品)の詳細は、
直木賞 歴代ノミネート作 一覧 または 【直木賞2025】候補作・受賞作 紹介のページをご覧ください。
なお、現在の直木賞の選考委員は、浅田次郎氏、角田光代
氏、京極夏彦氏、桐野夏生
氏、辻村深月氏、林真理子
氏、三浦しをん
氏、宮部みゆき
氏、米澤穂信氏の8名です(2025年1月に高村薫氏が退任、代わって3月に米沢穂信氏が就任)。
| 受賞年 | 回 | 受賞者「受賞作」 |
|---|---|---|
| 2025年 | 嶋津輝「カフェーの帰り道」 |
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| 該当作品なし | ||
| 2024年 | 伊与原新「藍を継ぐ海」 | |
| 一穂ミチ「ツミデミック」 | ||
| 2023年 | 河崎秋子「ともぐい」、万城目学「八月の御所グラウンド」 | |
| 垣根涼介「極楽征夷大将軍」、永井紗耶子「木挽町のあだ討ち」 | 2022年 | 小川哲「地図と拳」、千早茜「しろがねの葉」 |
| 窪美澄「夜に星を放つ」 | ||
| 2021年 | 今村翔吾「塞王の楯」、米澤穂信「黒牢城」 | |
| 佐藤究「テスカトリポカ」、澤田瞳子「星落ちて、なお」 | ||
| 2020年 | 西條奈加「心淋し川 |
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| 馳星周「少年と犬」 | ||
| 2019年 | 川越宗一「熱源 |
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| 大島真寿美「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び |
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| 2018年 | 真藤順丈「宝島 |
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| 島本理生「ファーストラヴ |
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| 2017年 | 門井慶喜「銀河鉄道の父 |
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| 佐藤正午「月の満ち欠け |
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| 2016年 | 恩田陸「蜜蜂と遠雷 |
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| 荻原浩「海の見える理髪店 |
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| 2015年 | 青山文平「つまをめとらば |
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| 東山彰良「流 |
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| 2014年 | 西加奈子「サラバ! |
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| 黒川博行「破門 |
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| 2013年 | 朝井まかて「恋歌 |
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| 桜木紫乃「ホテルローヤル |
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| 2012年 | 朝井リョウ「何者 |
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| 辻村深月「鍵のない夢を見る |
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| 2011年 | 葉室麟「蜩ノ記 |
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| 池井戸潤「下町ロケット |
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| 2010年 | 木内昇「漂砂のうたう |
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| 中島京子「小さいおうち |
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| 2009年 | 佐々木譲「廃墟に乞う |
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| 北村薫「鷺と雪 |
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| 2008年 | 天童荒太「悼む人 |
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| 井上荒野「切羽へ |
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| 2007年 | 桜庭一樹「私の男 |
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| 松井今朝子「吉原手引草 |
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| 2006年 | 該当作品なし | |
| 三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒 |
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| 2005年 | 東野圭吾「容疑者Xの献身 |
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| 朱川湊人「花まんま |
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| 2004年 | 角田光代「対岸の彼女 |
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| 奥田英朗「空中ブランコ |
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| 2003年 | 江國香織「号泣する準備はできていた |
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| 石田衣良「4TEEN フォーティーン |
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| 2002年 | 乙川優三郎「生きる |
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| 該当作品なし | ||
| 2001年 | 山本一力「あかね空 |
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| 藤田宜永「愛の領分 |
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| 2000年 | 山本文緒「プラナリア |
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| 船戸与一「虹の谷の五月 |
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| 1999年 | なかにし礼「長崎ぶらぶら節 |
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| 佐藤賢一「王妃の離婚 |
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| 1998年 | 宮部みゆき「理由 |
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| 車谷長吉「赤目四十八瀧心中未遂 |
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| 1997年 | 該当作品なし | |
| 篠田節子「女たちのジハード |
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| 1996年 | 坂東眞砂子「山妣 |
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| 乃南アサ「凍える牙 |
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| 1995年 | 小池真理子「恋 |
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| 赤瀬川隼「白球残映 |
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| 1994年 | 該当作品なし | |
| 中村彰彦「二つの山河 |
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| 1993年 | 佐藤雅美「恵比寿屋喜兵衛手控え |
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| 高村薫「マークスの山 |
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| 1992年 | 出久根達郎「佃島ふたり書房 |
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| 伊集院静「受け月 |
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| 1991年 | 高橋義夫「狼奉行 |
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| 宮城谷昌光「夏姫春秋 |
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| 1990年 | 古川薫「漂泊者のアリア |
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| 泡坂妻夫「蔭桔梗 |
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| 1989年 | 星川清司「小伝抄 |
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| ねじめ正一「高円寺純情商店街 |
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| 1988年 | 杉本章子「東京新大橋雨中図 |
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| 西木正明「凍れる瞳 |
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| 1987年 | 阿部牧郎「それぞれの終楽章 |
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| 白石一郎「海狼伝 |
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| 1986年 | 逢坂剛「カディスの赤い星 |
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| 皆川博子「恋紅 |
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| 1985年 | 森田誠吾「魚河岸ものがたり |
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| 山口洋子「演歌の虫 |
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| 1984年 | 該当作品なし | |
| 連城三紀彦「恋文 |
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| 1983年 | 神吉拓郎「私生活 |
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| 胡桃沢耕史「黒パン俘虜記 |
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| 1982年 | 該当作品なし | |
| 深田祐介「炎熱商人 |
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| 1981年 | つかこうへい「蒲田行進曲 |
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| 青島幸男「人間万事塞翁が丙午 |
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| 1980年 | 中村正軌「元首の謀叛 |
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| 向田邦子「花の名前 |
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| 1979年 | 該当作品なし | |
| 田中小実昌「浪曲師朝日丸の話 |
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| 1978年 | 宮尾登美子「一絃の琴 |
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| 津本陽「深重の海 |
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| 1977年 | 該当作品なし | |
| 該当作品なし | ||
| 1976年 | 三好京三「子育てごっこ |
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| 該当作品なし | ||
| 1975年 | 佐木隆三「復讐するは我にあり |
|
| 該当作品なし | ||
| 1974年 | 半村良「雨やどり |
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| 藤本義一「鬼の詩 |
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| 1973年 | 該当作品なし | |
| 長部日出雄「津軽世去れ節 |
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| 1972年 | 該当作品なし | |
| 綱淵謙錠「斬 |
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| 1971年 | 該当作品なし | |
| 該当作品なし | ||
| 1970年 | 豊田穣「長良川 |
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| 結城昌治「軍旗はためく下に |
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| 1969年 | 該当作品なし | |
| 佐藤愛子「戦いすんで日が暮れて |
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| 1968年 | 陳舜臣「青玉獅子香炉 |
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| 該当作品なし | ||
| 1967年 | 野坂昭如「アメリカひじき |
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| 生島治郎「追いつめる |
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| 1966年 | 五木寛之「蒼ざめた馬を見よ |
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| 立原正秋「白い罌粟 |
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| 1965年 | 新橋遊吉「八百長 |
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| 藤井重夫「虹 |
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| 1964年 | 永井路子「炎環 |
該当作品なし |
| 1963年 | 安藤鶴夫「巷談 本牧亭 |
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| 佐藤得二「女のいくさ |
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| 1962年 | 山口瞳「江分利満氏の優雅な生活 |
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| 杉森久英「天才と狂人の間 |
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| 1961年 | 伊藤桂一「螢の河 |
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| 水上勉「雁の寺 |
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| 1960年 | 寺内大吉「はぐれ念仏 |
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| 池波正太郎「錯乱 |
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| 1959年 | 司馬遼太郎「梟の城 |
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| 渡辺喜恵子「馬淵川 |
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| 1958年 | 城山三郎「総会屋錦城 |
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| 山崎豊子「花のれん |
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| 1957年 | 該当作品なし | |
| 江崎誠致「ルソンの谷間 |
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| 1956年 | 今東光「お吟さま |
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| 南條範夫「燈台鬼 |
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| 1955年 | 新田次郎「強力伝 |
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| 該当作品なし | ||
| 1954年 | 梅崎春生「ボロ家の春秋 |
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| 有馬頼義「終身未決囚 |
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| 1953年 | 該当作品なし | |
| 該当作品なし | ||
| 1952年 | 立野信之「叛乱 |
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| 藤原審爾「罪な女 |
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| 1951年 | 久生十蘭「鈴木主水 |
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| 源氏鶏太「英語屋さん |
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| 1950年 | 檀一雄「長恨歌 |
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| 今日出海「天皇の帽子 |
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| 1949年 | 山田克郎「海の廃園 |
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| 富田常雄「面 |
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| 1945~ 1948年 |
(第二次世界大戦のため中断) | |
| 1944年 | 該当作品なし | |
| 岡田誠三「ニューギニヤ山岳戦 |
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| 1943年 | 森荘已池「山畠 |
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| 山本周五郎「小説日本婦道記 |
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| 1942年 | 田岡典夫「強情いちご |
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| 該当作品なし | ||
| 1941年 | 該当作品なし | |
| 木村荘十「雲南守備兵 |
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| 1940年 | 村上元三「上総風土記 |
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| 堤千代「小指 |
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| 1939年 | 該当作品なし | |
| 該当作品なし | ||
| 1938年 | 大池唯雄「兜首 |
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| 橘外男「ナリン殿下への回想 |
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| 1937年 | 井伏鱒二「ジョン万次郎漂流記 |
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| 該当作品なし | ||
| 1936年 | 木々高太郎「人生の阿呆 |
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| 海音寺潮五郎「天正女合戦 |
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| 1935年 | 鷲尾雨工「吉野朝太平記 |
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| 川口松太郎「鶴八鶴次郎 |
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ちなみに、「芥川賞と直木賞の違い」についてですが、「芥川賞」(芥川龍之介賞)は純文学の新人に与えられる文学賞で、「直木賞」(直木三十五賞)は大衆文学の無名・新人及び中堅作家による大衆小説作品に与えられる文学賞です。
では、「純文学と大衆文学の違い」についてですが、純文学は娯楽性よりも“芸術性”に重きを置いている小説のことで、逆に大衆文学は芸術性よりも“娯楽性”に重きを置いている小説とされています。
ただし、ここでいう「芸術性とは何にか」についての定義は曖昧で、ある読者が低俗な作品だと感じたとしても、著者自身が「これは芸術である」と思って書いていれば純文学に位置付けられます。
過去には、大衆文学が読者の慰安を目的として興味本位に書かれるのに対して、純文学はあくまで作者の芸術的感性に基づいて生み出される作品であり、“純文学は大衆文学より高級である”との前提が広く受け入れられた時代があり、その後の文学論争に発展した経緯があります。
いずれにしても、これらの分類は“日本の近代文学および文壇における独特の用語”であり、自分が好む小説や作家がどっちに当てはまるかなど、まったく気にする必要は無いってことですね。こうした読者の現代的な感性が、古い拘りに未だに縛られ続けている芥川賞や直木賞の受賞作より、本屋大賞の受賞作の方が売れる時代になった背景の一つにあるのではないでしょうか・・・?。